ガイドの「研ナオコ」と「ヨンスン」が連れ立って出て行ったので
私は「コピー(コーヒー)」を飲みながらの「迎え待ち」です。
ツアーの連中は昨夜の「一夜妻」と一緒にソウルの街に出ていきました！
親子ほども歳の違うカップルはそれなりに「幸せそう」でしたが、滑稽
だったのは、昨夜の奮闘の「後遺症」か、歩き方が「ペンギン」です！
程なくして「ドアボーイ」が「お車が参りました」と迎えに来ました。
私は「荷物」がほとんど無く、ビジネス用のアタッシュケースと、パス
ポートなどを入れるセカンドバッグだけでした。
ヘギョン奥様から、着替えなんか持って来なくていいですよ！ 必要な
物は安く何でも有りますから「現地調達」で、帰るとき不要なら捨てて
いけばいいですから、と言われていたので「着の身着のまま」でした！
ツアーの連中が、大きなスーツケースに衣類などしこたま詰め込んで、
えっちらおっちらしているのが、とても「おかしく」思えました。
表に出ましたが、迎えの車らしきものが見当たりません！
キョロキョロしていると、ドアボーイが「あちらです」と指をさします！
え～っ？ あれ？ って「リムジン」じゃん！？ とびっくり！
ソウル市内といっても、メイン通りはともかく、道路の「アスファルト」
は割れて「凸凹」でしたし、ところどころに「水」が溜まっているような
状態でしたから、そこに「リムジン」はどう見ても「似合わない」のです！
運転手がやって来ましたが、私の荷物がどこか「キョロキョロ」してます！
日本語が話せないのか、私が「これだけ」と示すと「きょとん」とします！
車に乗ると「ギョッと」するほどの「美女」が座っていて、そのままで
私に挨拶をしました「自警団の団長さんの秘書」だそうです。
飲み物やフルーツに、日本の新聞や雑誌まで用意してあり、驚きました！
ものの１０分ほどで「団長さん(ヘギョンさんの旦那さん)の家」に到着です。
こんなんなら、歩いて来ても良かったのにというくらいな距離でした。
明洞(ミョンドン)という「商店街」や「官庁街」はそれなりに「都会」ですが
その他は、お世辞にも「都市」と言えるような物ではなく「未開発のスラム街」
といった「たたずまい」で、これが「首都」なの？ という雰囲気でした。
今でも思うのですが、ウオーカーヒルという立派な「カジノ」が有ったり、
高速道路なんかも有ったのですが、電車が有ったのかどうか記憶が有りません？
大きな「箱庭」みたいな「街」という感覚でした。
そんな中で、到着した「団長さんの家」は、家と言うより「立派なお屋敷」です！
門の所に「ショットガン」を携えた二人の男(多分、兵隊上がり)が、目をギラギラ
させて立っていました。こちらを見ても「二コリ」ともしません！
そこから庭園のなかを１００mほど行くと玄関に着きましたが、ヘギョンさんの
お出迎えを受けて、思わず「ホッ」としたものです。
幅が５mも有る「広い廊下」の奥で、団長さんと初対面です！
どんな「怖い人」かと思っていましたが、身長は私より低く、１５５cmくらい、
ちょっと小太りの「大阪のおっちゃん」みたいな人でした。
ニコニコしながら、ようこそと近づいてきて、妻が日本に行ったときに、大変
お世話になったそうで、有難うございました。 と、流暢な日本語でした。
居間に案内されて、ソファーに座ると、さっきの「秘書」の女性が飲み物を
持って入って来ましたが何と、色鮮やかな「チマチョゴリ」姿にびっくり！
座る事無く、団長さんの横に立っています。
ちょっとした「世間話」をしていると電話が鳴りました！
美女の秘書が、机の上の電話を取り「ヨボセヨ」と！
そうです、日本の「もしもし」が韓国では「ヨボセヨ」なんです。
秘書が、団長と韓国語で何やら話をしていましたが、団長は突如立ち上がって
「アイゴ チョゲッタ！」と叫び、慌てて電話を受け取り早口で話します。
その雰囲気は「大阪のおっちゃん」ではなく「マイクタイソン」みたいです！
秘書の説明では、幕僚長の「玄(ヒョン)」さんからの電話で、団長が昼食の約束を
していたらしいのですが、私の事に気を取られて「うっかり忘れた」ようなのです。
「アイゴ チョゲッタ」は「あちゃま～、やっちゃった」みたいな意味とか！
団長は「秘書」に何やら告げて、私に笑顔で「会釈」して出て行きました。
秘書が私に言いました。 先方がもう待っているというので、すぐに行かないと
いけないから失礼しますが、どうぞ「ごゆっくり」なさってくださいとの事です。
何でも「団長」は、軍隊にも「出入り自由」なのだそうです。
奥さんの「ヘギョン」さんも居たのですが、奥のキッチンで何やら「私の食事」
を作っているらしく、私のお相手はもっぱら「美人秘書」です。
その案内で、一番奥の「大部屋」に案内されました！
そこは頑丈な扉に「南京錠」が掛かった、学校の「体育館」みたいな場所です！
中に入って驚きました！！
ピストル・ライフル・ショットガン・自動小銃・機関銃・迫撃砲・手榴弾
対戦車砲・地雷・ヘルメット・戦闘服・防弾チョッキ・照明弾・手錠
軍靴・サバイバルナイフ・催涙弾・爆薬などなど、
覚えきれないほどの「武器・弾薬」が所狭しと保管されていたのです！
何でも「有事」のときに「自警団」の人々がやってきて「武装」するのだそうです！
そうこうしていると、ヘギョン奥様から「食事が出来た」という声が掛かります。
考えてみれば、昨日から今朝にかけて、機内食・豪華なピザとスープ・アメリカン
ブレックファーストなどで、コメは元より「まともな食事」をしてませんでした。
ヘギョン奥様の「手料理」が楽しみです！
続きます。
